上高地 徳澤園のブログ

月: 2019年6月

ブーム

ブームというのは、起こるとその時は嬉しいものですが、いつの日かブームは去ってしまいその後の反動が淋しいものです。

山の世界でもブームは何度かあり、懐かしいところでは、昭和半ばのカニ族ブーム。平成はじめに起こった登山ツアーブーム。そして、新しいところでは数年前に起こった山ガールブームが記憶に残るところです。

山スカートも最近は少なくなり、少し淋しい感じの今日ですが、何やら山ブーム再来の気配を感じます。

登山人口はここ数年で、大分減少しているみたいなのですが、それを遥かに上回る数の人が山に注目しています。

トレッキング、キャンプブームだそうです。

山頂を目指さないトレッキング。まさに、徳沢くらいまでの山歩き。

そして、多種多様な装備やグッズが発売されているキャンプブーム。グランピングを含め本当に魅力的なアウトドアです。

先日、知り合いに誘われ、

「キャンプ嫌いな上條さんも絶対キャンプしたくなるからっ!!」

「失礼な!キャンプ嫌いではなくて、家がキャンプ場だからキャンプしないだけだからっ!!」

と、アウトドアイベントにを見てきました。



確かに、おしゃれで使ってみたくなるグッズばかり…。

若い人はもちろん、家族でお父さんがこんなもの広げたら楽しいだろうなというものばかりでした。

いずれ懐かしいなと思われないよう、キャンプの楽しさが定着するブームになることを祈るばかりです。

(そういえば本日キャンパーの数は少なかったのですが、20代前半の可愛らしい女の子ばかりの徳沢キャンプ場でした!)

トレッキング気分も感じ、キャンプも出来る徳沢でお待ちしています!

特集

雑誌が売れない時代です。情報はインターネットを見れば簡単に手に入れることができて、しかも無料です。

ただ、その情報が正確なのかは定かではありませんし、仮に間違っていたとしても誰も責任を取ってくれません。

従って、今は雑誌を買うことは情報を手に入れる為ではなく、正確さ責任にお金を払っているのかもしれません。

登山に関しては、正確な情報が不可欠です。

山雑誌。

山ガールが流行った頃には、数えきれない程の雑誌がありました。

今は落ち着いて、やはり昔からある数冊だけが残りました。

山雑誌といえば皆さんお馴染みの「山と渓谷」。

ヤマケイよりも読みやすく、ファッションや道具なんかも分かりやすく紹介されてる「ワンダーフォーゲル」。

登山初心者から流行を敏感に反映している「PEAKS」。

この3誌が山雑誌の代表格ではないでしょうか。

今月の3誌。

なんと合わせたように、全て穂高特集が組まれています!

登山者の憧れ穂高。

今年の夏は穂高を目指す人が多そうです!

新商品

緑もすっかり深くなり、当園フロント前のシウリザクラの花も少しずつ散り、今年はちょっぴり長かった徳沢の春も終わりを告げようとしています。

この時期は人もまばらになり、外を見れば、木と草と猿しかいない徳沢・・・。新緑の鮮やかさや、春の花のにぎやかさもなくなり、少しセンチメンタルな気持ちになっております、フロントのくりです。

 

さて、先月もお伝えしました、売店情報です。

 

THE NORTH FACEさんとのコラボ商品「スタッフバッグ」が(くどいようで申し訳ないのですが)本当に好評いただいておりまして、もしかしたらもう完売になってしまうかもしれません。(ちなみに今月号のアウトドア雑誌PEAKSにも取り上げて頂いています!ありがとうございます!そして、売り切れていたらすみません

THE NORTH FACEさんに無理を言って、再発注をお願いしたのですが、それでも間に合わないTHE NORTH FACEさんの人気侮っていました

そして、もうスタッフバッグに関しては、今期の再入荷は難しいとのお達し・・・。

「始まったばかりなのに、このままでは夏までに売店の目玉商品が無くなってしまう!!!」と5月末から焦る、専務とフロント陣営。

しかし、ここで立ち止まらないぞ!徳澤園。

目玉が無くなるのならば、いっそのこと新商品を作ってしまおう!

ということで、急遽、ですが、手を抜かずしっかりNEWデザインで7月13日の海の日から販売いたします!

 

それがコチラ!

「徳澤園オリジナルスタウトエアボトル」です!

 

普段でも使いやすい、キリっとスタイリッシュなデザインになっています。

色はブラック・クリア・オリーブの3色。

こちらのスタウトエアボトル、耐熱100℃までOKなので、水筒やコーヒー/ティーサーバーとして、また、おしゃれにコーヒー豆・ナッツ・フルグラや、庶民的に柿ピーなど入れるフードストレージとしてもおすすめです。学校に職場にジムに山にキャンプにと様々なところへおしゃれにかっこよく持ち運びできます。

今回は日本のブランド「RIVERS」さんとのコラボ商品。

ドリンクウェアに特化したブランドで、普段使いはもちろん、アウトドアアクティビティでも使いやすい商品を扱っている会社です。

おしゃれに縁遠い私も、来月からはこのボトルでおしゃれ女子になって夏を乗り切ろうと思います。

夏からの主役、スタウトエアボトルをよろしくお願いいたします!

フロント くり

出会い

梅雨に入りましたが、例年通り晴れの日が続く上高地です。ただ、夏山シーズン前の静かな時期ですのでスタッフ達も交代で、一足早い夏休みに入りました。

今年、私は男の厄年であります。

産まれながら運だけには恵まれて生きてきましたが、厄年と言われるとどこか気持ちが悪い気はします。

そう言えば今年、運転していると赤信号によく引っかかる気がします。

春には、初めてネット詐欺にあいました。

先日、携帯電話カバーを新品に変える際、非常用に忍ばせていた5,000円を入れたまま、古いカバーをお店に置いてきたこともありました。

こんなに運のない年はない!

と若女将を説得し、伊勢神宮に厄払いに行くという作戦を考え、伊勢に一人旅をしてきました…。

もちろん、メインは伊勢神宮の厄払いですが、以前から気になっていた旅館がありましたので、そちらが本当の目的です。

当園も相当不便な場所にありますが、こちらの旅館も負けていません。もちろん、車で行ける場所にありますが、旅館に着くまでは私道です。

分類的には、ミシュランにも掲載されている高級旅館です。(こんなところに家族で泊まったらえらいことになります…)

旅館名は、「The earth」さん。

連泊するので、参考になるものを見つけられたり、お話を聞けたらなと思って参りました。

民家もない、手入れもされていない山を越え頂上で差し掛かったところでようやく見えてきました。

かっこよすぎです。

チェックインを済ませ、ハード面のチェックからスタッフの教育、イレギュラーパターンの対応等嫌らしいことをしていたのですが、なにせ怪しい。

写真を撮るにしても、正面玄関など撮らず、こんなところばかり写しています。

ウロウロしていると、

「上條様でらっしゃいますか?」

という声が聞こえます。そこに立っていたのは、上品を絵に描いたような紳士。この旅館の総支配人さんでした。

怪しすぎる宿泊客に総支配人登場!

かと思ったのですが、実は上高地の大ファンで私のことも見たことがある。しかも、何が参考になるのかわかりませんが、去年徳澤園に宿泊頂いてるということでした。

世間は狭すぎる。

正式に素性を明かし、長い時間お話をさせて頂きました。人材のこと、サービスのこと、調理人のこと、予約システムのことはもちろん、下水処理や電力確保など共に不便な場所に建つが故のお話も聞かせて頂きました。

職業上、色々なところを見に行きますが、今回は本当に充実した視察になり、素晴らしい出会いとなりました!

サプライズ

フロントくりです!

今回は私が徳澤園ニュースをお届けします!

 

先月のある一コマ

先輩スタッフ「準備出来ました~!みなさんどうぞ~!」

女将「はい!まず私書くからペン貸してちょうだい!」

 

「ママちゃん素敵~!」

「私、ここ書いていいですか?」

 

ワイワイとスタッフたちがある方のために寄せ書きを書きました

 

それが、こちら

 

そうなんです!

先月22日は当園社長の70歳誕生日でして、みんなでサプライズで古希のお祝いをしましたーー!

 

誕生日当日朝に、女将が携帯を私に渡しながら、

「くり、今日パパの誕生日だから、私の携帯からこうやってメール打ってくれる?」

と、打った内容が

「誕生日おめでとう。年金満額になりましたので長生きしてください」

 

若干、夫婦の仲を心配した私でしたが、冒頭の掛け声のように、この寄せ書きを書く際に一目散に女将が「I Love You from Rumiko」と書いた姿に安心いたしました。

 

みんなも思い思いの言葉をつづらせていただきました。

 

みんなが慕う社長、私も含め、特に長く働いているスタッフの文字の主張が激しすぎますが・・・

 

また、私たちスタッフから、会議などでよくスーツをお召しになる社長へこんなプレゼントを用意しました

ネクタイと、ネクタイピンです!

 

徳澤園らしく「クライマー」のネクタイピンをプレゼントさせていただきました。

 

「本当にありがとう。いつもは山に来れないけど、下でみんなのこと心配しとるでね。でも、僕よりもみんなの方が接客も上手だから、そこらへんは心配してないでね。」

 

とちょっと照れくさそうな社長でした。

 

くり

青春

ニリンソウシーズンも終わり、山芍薬や羅生門カズラなど華やかな季節です。

さて、山小屋で働くスタッフたちってどんな人がいるか、結構お客様は気になるみたいです。

手前味噌になりますが、うちのスタッフたちはよくお客様に褒められます。若いのに生き生き働いて笑顔が素晴らしいなど嬉しい言葉を頂きます。

人見知りの私や吠えまくる女将が表に出るより、笑顔いっぱいのスタッフが出た方がよい場面が多々あります。

当園は、毎年平均すると20歳後半から30歳前半と、上高地の中でも特に青春真っ只中の若いスタッフが多く働いています。

これは、不便なところで働いてみたいけど、不便過ぎるのは嫌。最低限携帯の電波は届かないと…。など、徳沢は今の若者のニーズに丁度いいのかもしれません。

ただ、若者ばかりでもチームとしてのバランスは悪く、経験を積んだアラフォー、アラフィフの包容力や適応力に助けられる場面も多々あります。

 

なかなか皆様の前に出ることの少ないおじさんスタッフの宮さん。

今年、孫も出来た新人です。

先日、女将に

「ここに来て、やはり体力的には大変です。でも、精神的には本当に解放されました」

と少年のような笑顔で話していたのを聞いて、何を思っているのか聞いてみたくなりました。

 

<岩魚職人>

植村直己著、「青春を山に賭けて」にあこがれ、若かりし頃、山の世界に没頭してきました。

社会人となり仕事の方に生活が変遷し、50代後半となり、やはり自然の中に入りたく全てを切り徳澤園に入りました。

 

営業の仕事から、いきなり岩魚職人へと変わり、毎日岩魚との格闘!

 

美味しい岩魚をいかに提供させていただくか日々、伺いあっています。

徳澤園より、前穂、北尾根、明神岳の絶景に癒されながら、過去の登山ルートを振り返り

夜は満天の星空をながめ最後の青春を味わっています。

宮瀧

 

色々と派手に着飾ることが多い当園ですが、宮さん以外にも沢山の真面目なスタッフたちが皆さんの見えないところで真面目に働いてくれています。

陰で支える人が暗ければ暗いほど、表に出る子達がさらに輝ける。

そんな彼等がいるからこそ、見た目だけの宿にならずにいるというのも私自身が重々承知しています。